男子ラクロス

まず、ラクロスについて少し。
ラクロスの男子競技は、それぞれ10人からなる2チームで争うもので、制定されるルールの基本概念は、ラクロスという極めて競技性の高い競技の競技特性を十分に踏まえ、その魅力を最大限に引き出すもので無ければなりません。
そのために、特に以下の3点に配慮したルールが制定されています。
@スティック(クロス)とボールの存在
Aスピード溢れる試合展開
B高い戦術性
それでは実際にルールの概略を見て行きましょう。

<1.フィールド>
・ラクロスのフィールドは長方形で、長さ96〜100m×幅48〜55mである。
・使用するゴールの大きさは、幅(ポスト間)1.83m、クロスバーまでの高さ1.83mの物を使用。
・ゴールに取り付けるネットは、網目の大きさが3.81cmを超えないものとする。
ゴール間の距離は73.2m、エンドラインから13.7mの位置に設置。
・2つのゴールの周りには半径2.74mのゴールクリースを描く。
・センターラインから16〜18mのところにゴールエリアラインを引く。
・ゴールとゴールの中心とセンターラインが交わる点から両側18.3mずつに、センターラインからサイドラインに平行に両側に9.1mずつの長さで、ラインを引く(ウイングエリアライン)。
・フィールドの中心には×(センター)を描く。
・その他、フィールド規格に従い、サブスティテューションエリア・ベンチエリア・コーチズエリア・ペナルティボックス等を準備する。
男子ラクロスフィールド図

<用具>
ボールは、白・オレンジ・黄色のゴム製で、円周19.69〜20.32cm、重さ141.75〜148.83gで、硬い木製の床に183cmの高さから落とした際に、114.3〜124.46cm弾むものであること。
・ボールはホームチームが提供し、試合終了時に使用していたボールは勝利チームのボールとなる。
・ホームチームは両サイド、両エンドに予備のボールを持ったボールボーイを配置する。
クロスは、全長が101.6〜106.68cm(ショート)又は132.08〜182.88cm(ロング)。ただし、試合中フィールドで4本より多くのロングクロスを使用してはならない。
・クロスヘッドは、最も広いところで、内側10.16〜25.4cmにする。
・クロスを地面と水平にしたとき、ポケットに置いたボールの上部が、サイドウォールの下端より下にある深さまでポケットがたわむクロスは使用できない。
・通常にボールが落とされるのを妨げるような構造や編み方のクロスは禁止。
・クロス部分でない紐は、余分にぶら下がる長さが10cmまで。
・メッシュは1色のみを使用し、長さの調節できるハンドルも使用禁止。
プロテクターとして、保護用のグラブ、適切な靴、フェイスマスクとチンストラップ付のヘルメットを着用。
・前と後ろの肩口より内側で腰よりも高い位置に、目立つ色の分かりやすい書体の番号がついたユニフォームを着用する。

<チーム>
10人の選手で1チームとする。構成は、G1人、D3人、M3人、A3人。
・チームには13人まで交代選手がいて良い。(1チーム23人まで試合に参加可能)
・各チーム1名以上のキャプテンを選出する。
・各チームにコーチは何人いても良いが、1名のヘッドコーチを任命しなければならない。

<試合の統制>
・ラクロスの試合は3人の審判によって進められ、その中の1人が主審に任命される。
チーフベンチオフィシャル(CBO)はあらかじめ指定される。CBOはタイムキーパー、ペナルティタイムキーパー、スコアラー、コーチ、交代選手、ベンチエリア、サブスティテューションエリア、ペナルティボックスにいる全てのオフィシャルに対し、監督・管轄する権限を持つ。
・審判とCBOは、白黒の縦縞のシャツ、白い短パン、白黒のストッキング、そして黒のキャップであること。
タイムキーパーは秒刻みで計測できる時計を持ち、各ピリオドの時間を正確に計り、残り30秒からはカウントする。
ペナルティタイムキーパーは、各チームから1名ずつ指名される。審判に課せられたペナルティタイムを計り、残り時間をカウントする。
スコアラーは、各チーム1人ずつ用意しなければならず、審判が特に指定しない限りはビジターチームのスコアラーが公式なスコアラーとなる。

<試合の時間>
・試合は20分間の4クォーター制。各クォーターの0分00秒は試合時間に含まれる。
第4クォーターの最後の1〜3分間と、オーバータイムでは、試合時間やペナルティタイムは、デッドボールの度に時計を止め、プレーの再開とともに再び動かす。
各クォーターが終わるごとにチームは陣地を替える。第1と第2クォーターの間は2分間、ハーフタイムは5〜10分間、第3と第4クォーターの間は3分間の休憩時間が与えられる。
・規定のプレー時間が終わって同点の際は、オーバータイムとして4分間2ピリオドを行う。
・オーバータイムが終わってもなお同点の場合は、サドンデスオーバータイムを適用し、どちらかのチームが得点するまで、4分間のピリオドを続ける。
・相手チームが所定の場所・時間に来なかった場合、あるいは何らかの理由で試合が終えられなかった場合、相手チームの試合放棄としてそのチームは試合の勝者となる。その際試合のスコアは1対0と記録される。

<試合のプレー方法>
・試合開始5分前になったら、両チームのキャプテンによりコイントスでサイドを決定する。その際は、ビジターチームがコインの裏表を選ぶ。
・両チームのスターティングメンバーをセンターに互いに向かい合って整列させる。(現在は試合前にクロスチェックは行われない)
・各ピリオドの開始及び得点後は、例外を除きセンターフェイスオフによりプレーを開始する。
(例外)
ピリオド終了時にエキストラマンの状況で、どちらかのチームのポゼッションであった場合、次ピリオドは前ピリオド終了時にボールを持っていた地点の相対的な位置から、ポゼッションしていたチームのボールとして開始する。

・フェイスオフをしている選手がフェイスオフのポジションで押し合っていて、ボールが両選手のクロスに触れ、クロスの間にあるときは、他の選手はフェイスオフをしている選手の身体やクロスに触れてはいけない。
・左利き用のクロスを使用する者は、フェイスオフに参加できない。
・センターフェイスオフの際に、ペナルティボックスに選手がいる場合を除いて10人の選手がフィールドに出ているチームは、ゴーリーと他の3人の選手はディフェンスサイドのゴールエリアに、3人の選手はオフェンス側のゴールエリアに、そして両サイドのウイングエリアに1人ずつ配置しなければならない。
・試合開始のホイッスル後、ウイングエリアの選手はそこから出ることが出来るが、他の選手はある選手がポゼッションするか、ボールがゴールエリアラインに触れる或いは中に入る(フリーボール)か、ボールがアウトオブバウンズになるまで、各ゴールエリアから出ることは出来ない。
・様々な理由で、ある選手にボールが与えられた場合(ファール・アウトオブバウンズ等)、相手の選手はボールを与えられた選手から、4.6m以内に入ることは出来ない。(フリープレー)
・フリープレーはケージからどの方向についても、18.3mより近い地点からはじめることは出来ない。必要な場合18.3m地点まで横に移動する。同様にゲートから4.6m以内の地点からも始められない。
得点は、1ゴール1点とし、地面のゴールライン、上のクロスバー及びゴールポストの後ろ端からなる平面を前方から完全に通過したとき得点となる。
・ボールがアウトオブバウンズとなった場合は、そのボールがシュートされたボールか否かで扱いが異なる。
○シュートでない場合:ボールに最後に触れた選手の相手チームのボールとして、アウトオブバウンズとなった地点からフリープレー。
○シュートの場合:ボールがアウトオブバウンズになったときにボールの最も近くにいたフィールド内の選手のいるチームにボールが与えられる。ただし、両チームの2選手が等位置にいた場合は、フェイスオフを行う。

・ラクロスでは以下の条件で相手に対するボディチェックが許されている。
1)相手がポゼッションしているか、ルーズボール或いは空中のボールから、2.7m以内にいること。
2)接触は相手の首より下で腰より上、正面もしくは横からに限る。

・同様に相手がポゼッションしている場合もしくはルーズボール或いは空中のボールから2.7m以内にいる場合、選手はクロスで相手のクロスをチェックしても良い。その際、クロスを握っているグラブもクロスの一部とみなす。
・オフェンスの選手はピックを使うことが出来る。ただしディフェンスの選手と接触するときには静止して動かない状態で無ければならない。
・ディフェンスエリア内で初めてボールをポゼッションしたチームは、10秒以内にボールをディフェンスエリアの外に進めなければならない。(アドバンシングザボール
スティックチェックは、ヘッドコーチの要求によって或いは審判によるランダムチェックにより行う。ただし、ヘッドコーチの要求によるスティックチェックで合法とみなされた場合は、ヘッドコーチはアンスポーツマンライクコンダクトのペナルティ(3分)を受ける。違法なクロスだった場合は当該選手に同様のパーソナルファールが与えられる。

<選手の交替>
・ラクロスでは、可能な限り選手の交替をいつでも行うことが出来る。
・交替選手は、ベンチに戻る選手がフィールドを離れるまでっフィールに入ることは出来ない。覚選手はゲートを通らなければならない。ただし、得点の後、ピリオド終了後、タイムアウトの間はサイドラインのどの場所から交替しても良い。

<ゴールクリースとゴーリー>
・試合開始時に、チームでゴーリー用のクロスを用いている選手を、正式なゴーリーとみなす。
・正式なゴーリーは以下の特権と保護を受ける。
1)クロスと身体を用いて、いかなる方法でもボールを止め、ブロックして良い。手でボールをブロックしたり打ち返しても良いが、つかんだり拾い上げたりしてはいけない。ゴーリートディフェンスの選手はゴールクリースエリアでパスを受けても良い。
2)オフェンスの選手はゴーリーがゴールクリースエリアに身体の一部を入れている時は、ゴーリーがボールを持っているいないに関わらず、ゴーリーやゴーリーのクロスに接触してはならない。ただし、オフェンス側の選手は自らゴーリーに接触しない限り、ゴールクリース内のルーズボールを拾ったり、打ったりしても良い
3)2)の例外として、ゴーリーのクロスがゴールクリースから垂直にのびた仮想の円柱から外に出ているとき、ボールがゴーリーのクロスにある場合以外は、他の選手のクロス同様、チェックしても良い。

・ゴールクリースの外でボールを持ったゴーリーやディフェンスの選手がゴールクリースに入ってはいけない。
・ゴールクリース内でボールをポゼッションしたまま4秒よりも長くいてはならない。

<ファウル>
ファウルには、テクニカルファウルとパーソナルファウルがあります。
詳しく紹介すると非常に細かくなるので、ここでは大まかな内容のみ紹介します。

<<テクニカルファウル>>
テクニカルファウルは、比較的重い種類の反則でない。
テクニカルファウルを犯した場合、ポゼッションしている側或いはルーズボールの場合は相手ボールとなる。逆にポゼッションしている側と反対のチームが犯した場合は30秒間のペナルティタイムが課せられる。
次にファウルの種類。
@インターフェアランス
→ボールから2.7m以上はなれて相手をおさえたり、ポゼッションしていないときにその動きを止めるほど接近してディフェンスしたり、ポゼッションしている選手を追っている選手の動きを妨げたりした場合(合法的なピックは除く)
Aプッシング
→相手をクロスで押したり、ボールから2.7m以上はなれている相手を押したり、後ろから押したりした場合
Bイリーガルピック
→ピックにはいる際に、動きながらディフェンスの選手と接触したり、自分のクロスを広く構えたりしてピックにはいった場合
Cホールディング
→ポゼッションしているかボールから2.7m以内にいる場合に、ハンドルを持っている手と腕でホールドする以外、相手をおさえたりクロスを押さえたりしてはいけない。クロスによってホールドした場合も同様。逆にボールを持っている選手がチェックしてくるのを体の部分で守ることも認められているが、その際に相手をおさえた場合はこのファールとなる。
D相手のクロスを蹴る
Eボールを手で扱う
Fウィズホールディング・ボール・フロム・プレー

→ボールを抑えてプレーを妨げたり、ルーズボールの上に覆いかぶさったりした場合。あるいはポゼッション中にクロスヘッドを握ったりした場合も適用。
Gその他のクロスによる違反行為
→クロスを投げない、クロスを持たずにプレーに参加した場合等
Hチーム関係者の違反行為
Iイリーガルプロシージャー

→選手或いは交替選手による試合に適用されているルールや規定にそぐわない行為全般
たとえば、試合の遅延行為、クリースバイオレーション、ペナルティタイムあけ前にペナルティボックスを離れるなど。
Jストーリング
→アタックゴールエリアの外でボールを持っているチームが、相手ゴールに攻める気のないパス、ボールキープで故意にポゼッションを維持した場合。ただしアタックゴールエリア内の場合や、マンダウン状態の場合適用されない。
Kイリーガルエキップメント
→規定に違反する防具を身に付けていた場合
Lオフサイド
→センターラインとエンドラインの間のアタックハーフに選手が3人より少ない場合とディフェンスハーフに選手が4人より少ない場合。
M相手のフェイスマスクをクロスで押す
N避けられる遅刻


<<パーソナルファウル>>
パーソナルファウルは、重度の反則で、反則の激しさ、故意性を審判が判断することで1分間から3分間の退場を課す。ボールは通常相手ボールとなる。さらに、5回パーソナルファウルを犯した選手は退場となり、以後試合に参加できない(退場選手の交替選手は、退場選手のペナルティタイムが終了したら交替できる)。
次に種類。
@イリーガルボディチェック
→ポゼッションしていない相手、あるいはルーズボールや空中のボールから2.7m以上離れている相手に対してボディチェックをした場合や、ボールを投げ終えた相手への避けられるボディチェック、フィールドに横たわったり膝をついている相手へのボディチェックをした場合。
Aスラッシング
→相手のクロスに向かって悪意をもってもしくは過度にクロスを振り回した場合(身体に当たっていなくても適用)。また相手のヘルメットなどをたたいた場合等
Bクロスチェッキング
→クロスでつき離したり、身体から離してホールドする為にクロスを持った手と手の間のハンドルを使ってチェックした場合。
Cトリッピング
→意図的に相手をつまずかせた場合。
Dアンネセサリーラフネス
→ホールディングとプッシングのルールに対する過度の激しい違反の場合。正当なピックへの意図的で過度の衝突やその他の意図的で過度に激しい避けることの出来る行為をした場合。
Eアンスポーツマンライクコンダクト
→選手、交替選手、試合に出ない選手、コーチやチームの公式な関係者が、審判の決定に対し議論しようとしたり、影響を与えようとしたり、審判や相手チームを脅したり、スポーツマンらしくない事を行った場合。あるいは同じテクニカルファウルを繰り返し行った場合等

※退場ファウル※
退場ファウルとなると残りの試合時間は出場停止となる。選手や交替選手に退場ファウルが宣告された場合は3分間経過後に交替できる。
対象となるのは、パーソナルファウル5回の他、試合に関係するものが相手チームや審判などに故意に暴行を加えたり加えようとした場合、フィールド状で起こった争いにベンチから審判を振り切って参加した者、両チームの選手が争っているところに3人目として加わった者、審判の権限を拒否したり、反則を利用したり暴言を吐いた場合等


その他のペナルティ関連
・同時ファウル
・スローホイッスルテクニック(フラッグ)
・プレーオンテクニック
同時ファウルは、ファウルの種類にもよりますが、互いに続けてファウルがあった場合の相殺、スローホイッスルテクニックとプレーオンテクニックは、アドバンテージを見るということです。